大通りから一歩入った静かな住宅地である。以前古いアパートが建っていたという長い敷地形状を活かした、木造平屋住宅。畳中心の生活スタイルに配慮したリビングに、建物にそって続く細長いデッキ。デッキに面した開口を連続して開け居室とデッキをフラットにつなぎ、外と内をあいまいにすることで自由に行き来ができる構成となった。
室内外ともに、外壁には昔ながらの杉板下見板貼りを、内壁には珪藻土、床・天井には木、自然素材をたくさん使用したあたたかみのある空間が生まれた。夜には内障子を介して室内のやさしいあかりが外にこぼれる行灯のような住宅となった。